曲の情報
- タイトル「トルコ行進曲」
- 2/4拍子 ハ長調 Allegro(速く)
- 作曲:Ludwig van Beethoven(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン)
- テキスト:ぴあのどりーむ テキスト6
演奏のポイント
Allegro(速く)とあるが、あまり速く弾き過ぎると、たくさんある装飾音や左の伴奏が重くなり、乱暴に聴こえるので注意しよう。同じテーマが何度も出てくるが、メロディーや伴奏に変化はないため、違いを出すのは表現(強弱)だ。細かな強弱記号もたくさん散りばめられているが、記号がないところは平らに弾いていいのかといわれれば、それは違う。pからcresc.を経てfになるとき、cresc.が書かれている前まではずっと小さい音で出せばいいのかといわれれば違う。
もちろん同じ大きさで出すことが表現の一つであれば構わないが、記号がないから変化させないのはつまらない。音が高くなるのであれば音は大きく、低くなるのであれば音を小さくするという基本的な強弱の付け方もあれば、その先にどんな記号が待っているのかを確認して考えてもいい。
例えば、1ページ目では、ppから、cresc.が3連続で出てくるが、その先に待っているのは、mf(やや強く)だ。では、このクレッシェンドは、mfに向かっているのかといえば、(もちろんそのような考えもできなくはないが)、少し不自然に思える。クレッシェンドで大きくして盛り上がった後、やや抑えてmfの方が自然だ。
- ちなみにcresc.3連続にも言える。ただ音を拡大していくだけでいいのか。個人的には、少し抑揚をつけるように弾いてもいいのではないかと思う。
- >(アクセント)がついている音符が多数あるが、音の流れを考えてみれば、自然と大きくなるものばかりなので、気持ちだけで十分だろう。強調し過ぎると、ただドタバタ歩くようにしか聴こえない。
- 左手の伴奏は、気分がよくなって大きくし過ぎると、メロディーより目立つので、気をつけよう。
どのように表現していくのかを考えながら練習するとより演奏の楽しさがわかってくるでしょう。
練習のポイント
- 初心者の方は長く感じるかもしれないので、分けて練習するとよい。ただ、最初の1回だけ(両手が難しければ片手ずつでも)できれば最後まで弾いて、全体をつかむといいでしょう。
- 装飾音は軽やかに出し、メインの音より目立ってしまうことのないように気をつけて練習する。また、前打音で、メインの音が左の伴奏と合うようにする。
- タイミングが難しい場合は、まず装飾音なしで練習し、次に装飾音とメインの音を同時に(和音のように)打鍵する練習をすると上手にできるようになる
- 左手の練習は単調でつまらないが、右手だけの練習よりたくさんやろう。左手が安定していると両手で合わせたときに違いが出る。できればメトロノームを使う。また、メロディーより大きくしてはいけないので、小さめの音で練習しよう。大きな音を出すよりも小さな音を出す方が難しい。
- 64小節目は、左右で、音も指もバラバラに弾く為、難しい。片手ずつの段階で指番号をよく確認しながらゆっくりした速度で練習をしよう。両手で合わせるときも、ゆっくりと繰り返し練習すればできるようにあんる。
演奏について
この曲に限らず、ベートーヴェンの曲は、どんどん気持ちが盛り上がってきて、「このフレーズの終わりまでクレッシェンドして」なんて考えていると、そのフレーズがいつまでも終わらなかったりして、「どんだけしつこいんだよ」などと思いながら、一番盛り上げたいところにたどりつく前にクレッシェンドの力は尽きて、演奏がしぼんでいくなんてことがよくあります。僕だけかもしれませんが笑。
この演奏も、どうしようかと迷いが最後まで迷い続けている演奏です。
音楽用語
- 音楽用語
- 意味
- Allegro(アレグロ)
- 速く
- <(cresc. クレッシェンド)
- だんだん強く
- >(dim.ディミヌエンド)
- だんだん弱く
- pp(ピアニッシモ)
- とても弱く
- p(ピアノ)
- 弱く
- mf(メゾ・フォルテ)
- やや強く
- ff(フォルティッシモ)
- とても強く
- >(アクセント)
- その音を強調して