先日、生徒が、速い曲をゆっくりと弾いていたので、「なんでゆっくり弾くの?指はよく動くよね」と問いかけました。その生徒は、指の動きがよく、曲もしっかりと練習してきている様子でした。
そしたらその生徒は、
「指は動くんですが、気持ちがついていかない」と。
すごくよくわかります。小学5年生の女の子ですが、なかなか言葉のセンスがいいです。僕は、今まで、速い曲で失敗する時は、「集中力」や「頭の回転」という言葉を自分にかけてきましたが、「気持ち」の方がしっくりきます。こういうときはたいてい必要以上にゆっくりなるんですよね。
逆の状況に陥ることもあります。ピアノは、一台一台タッチ感が違って、妙に指運びがいいピアノがあります。そうすうと「この速さ無理、この速さ無理」って思っているのにどんどん加速していって、事故を起こします。弾きはじめる直前まで「慎重に、少し速度を抑えて弾こう」と思っていたのに指は気持ちを全く汲み取ってくれず、勝手に暴走するパターンです。これはハラハラします。事故の直前ですから。
今日は、久々に、ショパンのエチュードop.10-4を練習していましたが、ゆっくり片手ずつ練習してからのゆっくり両手の予定が、まず、時間がないという言い訳のもとに、片手練習を省き、ゆっくりやったのは、最初の1回だけで、気づけば一生懸命速く弾いていました。
結局の話、必要以上にゆっくり弾いてしまうのも、実力以上に速く弾いてしまうのも、自分の気持ちをうまくコントロールできていないということです。俺。
ゆっくり練習の必要性については以下の記事で触れています。