コンサート・発表会やコンクールの直前、どのように過ごしますか。僕は、ピアノのこととなるとポジティブになって、「あしーたがあるーさ」と練習を先延ばしして、直前は、絶望感を味わいながら、必死に練習していることが多いです。最近、ようやくおっさん大人になりまして、当日、がむしゃらに練習することはなくなりましたが、少し前までは、本番当日の朝も泣きながら練習していたことが多かった気がします。その昔、慣れない歌の試験のときなんかは、本番直前に練習し過ぎて、本番では声がひと言も出なかったなんてこともありました。仕方なく、踊りましたね。大ウケだったみたいですが、点数には全く結びつかなかったようです。その時、歌の人は大変なんだなと気づきました。ピアノは音は出ますから。
本番に向けて、どのように練習計画を立てて、直前はどのように過ごすかを考えたことはありませんでした。ただ、思い返してみれば、ごく稀に、早く仕上がっていたときというか、もともと得意な曲を弾く場合というべきか、そんなときは前日から直前にかけては、あまり練習をしないような気がします。
ピアノを教えるようになってから、どうやって生徒が本番でうまくいく道筋を作るのかが悩みどころです。これは、能力だけではなく、その生徒のタイプとかにもすごく影響されて難しいです。そこで、参考になりそうな「本番に強くなる!演奏者の必勝メンタルトレーニング」という本を読んでみました。
この本はすばらしいですね。ちょっと趣味の方には本気過ぎるかもしれませんが、まず自分がどういうタイプなのかというのを心理テストみたいな質問で判定し、本番で成功するための様々な練習方法やメンタルトレーニングを提示してくれています。練習ノートを作る際の参考にもなります。具体的な行動や精神状態によっての対処方法が書かれていて、とても参考になります。最後は、20日前からの本番までのトレーニングプランまでの書かれています。
僕が衝撃を受けたのは、3日前にやることですね。
自信がなければ、今日か明日やるといいことをお教えしましょう。ひとつは、「ロッキー」や「ランボー」などの映画を観て、数日後の自分の戦いに重ねることです。
えっ?そういう感じなんですかね。確かに、コンクールとか、メラメラした感じの人いますよね。自分に足りないのはそこだったかと思いましたね。メラメラどころか練習不足で徹夜だったりしてフラフラですから。
ちなみに僕がこの本の中で一番好きな文章を紹介します。
世界に名だたるコンサート・ピアニストのアルトゥール・シュナーベルは、大の練習嫌いで、実際に鍵盤に向かってまとまった時間練習することはほとんどなかった。練習時間が短い事について訊かれると、彼は「心の中で練習するんだ」と答えた。-マクスウェル・マルツ
神ですよね。心の中で練習する領域までたどり着きたいです。