本来であれば、最初から最後まで、できる速さで練習し続けるのが、記憶に定着しやすいらしい。現実には、時間や気力の問題があるので、部分練習を取り入れるのが普通だろう。しかし、部分練習も注意しなければ効率が悪くなる。
部分練習の流れ
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- 苦手な部分を練習する場合、大きなフレーズで捉えて練習する
- 大きなフレーズで、定着しない場合、細かくしていく
- 小さなフレーズでできるようになったら、少し速度を落とし、大きなフレーズで練習する
- 速度を落とし、曲の始めから練習する
部分練習の後は、繋げる練習をする
部分練習をした後は、フレーズを繋げる練習をする。ソナタのような長い曲の場合は、前の場面から苦手な部分、次の展開へと繋げる練習をして、それから最初から通す練習をするといいだろう。苦手な部分というのは、速度を落としていたり、指使いが使いづらいものになっていたり、リズムが崩れていたり、何か症状があるものだ。部分練習で、解決したと思っても、最初から通すと、元の癖が戻ってしまうことがあるので、部分練習の後の繋げる練習は慎重にやろう。
下記の記事は、レッスン中に指使いを直す部分練習を行った上で、曲全体を通して演奏したら、元の指使いに戻ってしまった例だ。苦手なフレーズを直してから、その少し前のフレーズに戻って練習をさせた。動画の途中で、苦手なフレーズをきちんと弾く場面があるが、最初からやると癖が戻ってしまう。幼児の練習なので、曲は初歩向けだが、その分、わかりやすい。そして、幼児だからとか初心者だからということは関係なく、慎重に練習しなければ癖というのはすぐに戻る。特に、曲全体の流れで繰り返し練習した悪い癖は、部分練習のあとも戻りやすい。

苦手な部分が得意になることもある
苦手な部分は、練習を続けていると他の部分よりもよくできるようになることがある。苦手な部分ができていて、周りの部分にミスが増えてしまった場合、もともと練習していた速度よりも速く演奏している可能性も考えよう。また、他の部分が下手になったように感じることがある(実際に可能性は否定できない)が、苦手であったところが他の部分を追い越して上達していることもある。練習を録音すると比較できる。
<後記>
苦手な部分をダラダラ練習していて、ハッと気づくと、得意なところを繰り返し練習しているんですよね。苦手なところは苦手なまま。不思議です。